芝蘭社家政学園の思い出
2007年08月28日 [芝蘭社家政学園史料室]
少し前のことですが、昭和17年に芝蘭社を卒業された方お二人が、芝川ビルを訪問され、当時の懐かしいお話を聞かせて下さいました。
お一人は東京の女学校を卒業後、大阪府、大阪市、朝日新聞社に問い合わせた中で薦められた芝蘭社に入学、もうお一人は市内の別の家政塾の入学式で、偶然並んで座った女性から、「芝蘭社っていう素敵な学校があるから、そちらに替わらない?」と誘われ、運命的に芝蘭社に転学されたそうです。
お二人とも芝蘭社には3年間通われ、和裁、洋裁、茶道などを受講されました。芝蘭社では、1年目を本科、2年目を研究科、3年目を選科*1)といったそうですが、1、2年で辞める方が殆どで、お二人の同級生で3年間通われたのは7名ほどだったといいます。
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ご提供いただいた、芝蘭社家政学園卒業写真
(昭和17(1942)年、芝川ビル屋上にて)
1年生時の和裁のアゴウ先生は厳しく、夜通しかかってでも必死で授業の復習をしたこと、2-3年生時の同じく和裁のミヤキタ先生は年配の優しい先生で、「お嬢様は、大きなお荷物を持って歩くものではありません。」と教えられたこと、洋裁はおそらくドイツ人のハーフの先生で、授業ではインチさし(インチで刻まれた定規)が使われていたこと、生花(いけばな)は小原流で、家元の親類のご姉妹が先生をされていたこと*2)などをお話下さいましたが、優しい、厳しいなど個人差はあるものの、いずれの先生方も“令嬢の躾け方”を心得た方々だったといいます。
芝蘭社の学友には、関西の著名人や著名企業の令嬢も多く、芝蘭社に通う美しい着物姿の令嬢の写真を雑誌に掲載する為に、学校の周りには、カメラを持った人がうろうろされていたとか。
物資不足のため、田舎から送ってきたメリケン粉を先生に差し上げたり、お寿司に蕎麦が巻いてあったりと、戦争の足音を身近に感じながらも、お二人とも、芝蘭社在学中は、千日前の大阪歌舞伎座でスケートをしたり、映画を見たり、法善寺横丁で「洋食焼き」や「ちょぼ焼き」、「お茶福」を食べたり、心斎橋の「カレドニア」という喫茶店でお茶を飲んだり、御堂筋、心斎橋を中心に、華やかな青春時代を謳歌されたと懐かしくお話して下さいました。
*1)芝蘭社家政学園の学則(どの時点のものかは不明)には、「本科は壹ヶ年研究科は壹ヶ年を單位とす別に選科を設く」と記載されている。
*2)芝川又四郎回顧録『小さな歩み』には、生花の大原先生は、小原流三世代家元の小原豊雲氏の親類にあたると記載されている。
※千島土地㈱では、現在、芝蘭社家政学園の歴史を調査しています。
芝蘭社の思い出についてお話いただけるという方や芝蘭社に関する資料をお持ちの方がおられましたら、メール又は06(6681)6456までご連絡下さい。
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